01-04;細菌感染
尿路感染
呼吸器感染
マイコプラズマ
- 発疹の出現頻度は意外と高い(約10%)。発疹は多発性の紅斑、多形滲出性紅斑、Stevens-Johnson症候群など多様。(全身のアレルギー反応)
診断
- 抗体価の上昇は発症から7〜10日後(熱が続いて5日目に採血をしてもまだ抗体の上昇はない)
- 核酸検出検査は2011年10月から保険適応。
感染性腸炎
腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)
- 年間3000〜4000例。合併症で最も重篤なHUSは15歳未満と65歳以上に多い。透析と血漿交換により予後は改善されてきた。
細菌性髄膜炎
- 2007年の年間の発症は1000例ほど。死亡率は約5%。四肢の麻痺や発達障害、てんかん、難聴などの後遺症リスクは約25%
- 問題になったのは2000年頃からHIb菌、肺炎球菌ともに耐性菌の割合の増加
溶連菌
- 合併症;急性糸球体腎炎、リウマチ熱(輪状紅斑、心筋炎、関節炎、舞踏病)
- B群溶連菌は新生児で敗血症、髄膜炎を発症させる
溶連菌感染後糸球体腎炎(PSAGN)
- 三徴は1)先行感染の2週間後の血尿 2)浮腫 3)高血圧
- ASOはASKより陽性率が高い。溶連菌感染症後のASO価は感染後1週で上昇し、3〜5週でピークとなり、2〜3ヶ月で正常値となる。
Streptococcus sanguis
Moraxella catarrhalis
- 鼻腔内の常在菌。上気道、中耳、副鼻腔などに感染。日和見感染を起こす。
百日咳
- 14日以上の咳があり、発作性のせき込み、吸気性笛声、せき込み後の嘔吐のいずれかある場合
- 潜伏期間は通常7〜10日間。(6〜20日もあり得る)
- 典型的な症状は1〜2週間のカタル期、3〜6週間の痙咳期、6週以降の回復期。
- 百日咳の抗体は胎盤を通過しないので、新生児でも罹患し、重症になる傾向がある。
- 発熱は全経過を通してほとんどない。二次感染がない限りCRPや血沈などの炎症反応は通常陰性である。(気道粘膜の炎症にとどまり、気道粘膜下の実質の炎症が通常みられないため)
- 第二種学校伝染病。1回の罹患で終生免疫が得られる。伝染力はカタル期が最も強い。
- 脳症によるけいれん重積
診断
- 14日以上の咳嗽があり、発作性の咳込み、吸気性笛声、咳込み後の嘔吐のいずれかがみられる場合は百日咳を疑うべきである。
- 百日咳の咳嗽の症状は百日咳毒素(PT)によるものであり、症状出現から4週間が経過すると菌自体は気道に存在しない。培養はgold standardであるが培養感度は10%以下。
- ワクチン株である東浜(とうはま)株と比較的最近の流行株である山口株による抗体(細菌凝集法)検査;ペア血清で4倍以上の上昇。
- シングルでの診断は10歳未満ではいずれかが320倍以上か、山口株のみ上昇。10歳以上では山口下部が40倍以上の陽性、山口株/東浜株の比が4倍以上。
- 健康成人でも山口、東浜いずれかの凝集素価が320倍以上ある場合が20%認められる。
- 2012年に山口、東浜の抗原凝集素価は製造販売が中止された。
- EIA法でPT-IgG抗体の上昇基準が決まっていない(国内では単血清で診断に100EU/ml以上を目安とされている;ただし健常人でも5%程度は100以上である)。
- PTは3種混合ワクチンの主要抗原。ワクチンの接種によって抗体価は上昇。ペア血清では2倍以上の上昇が原則。
- Boudet-Gengou(ボルデ・ジャング)培地があるが分離同定は難しい。百日咳毒素のプロモーター領域を標的にしたLAMP法(loop-mediated
isothermal amplification)がある。
- リンパ球は増多(70%以上)。白血球数は2〜5万/uLに上昇。
治療
- 国内ではマクロライド耐性の百日咳菌はまだ分離されていないので、治療開始後5〜7日で百日咳菌は陰性となることが多い。
- マクロライドの投与はカタル期が有効である。
クラミジア
肺炎
- C.trachomatis感染率は妊婦では3〜15%。経産道的に感染するのは60〜70%。そのうち10〜30%が本症を発症する。発症時期は生後2週〜3ヶ月に限られており3〜8週の発症が最も多い。
- 遷延性の経過をとると(百日咳やRSほど症状がひどくないため)、体重増加不良が主訴となることがある。
- 乳児期早期の好酸球増多やIgM高値を伴う無熱性肺炎ではC.trachomatisを疑う必要がある。
アタマシラミ
- フェノトリン(スミスリン) シャンプーとパウダーの2種がある。
- シャンプーの使用量は短髪で10mL、長髪で20mLが目安。十分に頭髪全体になじませた後、5分間以上待ってから洗い流す。パウダーの使用法は、頭皮に振りかけた後、手や櫛などで頭皮全体にいきわたらせる。1時間以上経過してから、水またはぬるま湯で洗い落す。いずれも卵には効果が弱いため、3〜4日ごとに3〜4回、同様の処置を繰り返し、新たに孵化したシラミを駆除する。
蟯虫
- 虫卵は布団についたまま約2週間は感染力を持っている。