01-12;ひきつけ 神経
ひきつけ(熱性けいれん)
- 発熱24時間以内に出現。全身強直間代性けいれん。3〜5分以内に自然に軽快。
- 家族歴あり(25〜40%)。アレルギー体質の子どもに多い。
疫学
- 有病率;我が国の6〜8%(欧米は約2%)。男児がやや多い。
- 初発年齢は1歳台が約60%。1回が65%。2回が20%。3回が10%。約5%では4回以上。
- 単純型;複雑型は3:1
- 90%は発熱の第一日目に発症。
- 7歳以降はまれ
治療 予防
- 多くは無投薬でよいが、再発を繰り返す場合、持続の長いひきつけの既往がある場合などにダイアップ座薬を使う。
- ダイアップ坐剤は初回投与後8時間後に再投与。その後16時間は使わない(利きすぎになります)。ふらつきや多動が認められることがあり転倒に注意
注意する症状
- 1歳未満 6歳以上
- 15分以上の持続時間
- 発作回数が1日2回以上
- 38℃未満の発症
- 片側性、部分性のけいれん
- 発育発達異常のある時
鑑別
軽症胃腸炎関連けいれん
- 6ヵ月〜4歳ごろに発症し、1歳台に多い。ロタウイルス感染症などの嘔吐下痢症に罹患したとき、著明な脱水や電解質異常がないにもかかわらず、数分以内のけいれんをきたす。けいれんは頻発することがある。予後はよい。ジアゼパムの効果は低い。
なきいりひきつけ(憤怒けいれん)
- 6ヵ月〜1歳6カ月ごろの発症が多い。痛み、欲求不満などで激しく泣き最終的には呼気で呼吸が止まってチアノーゼをきたす。その後、低酸素症によるけいれんをきたす場合がある。重篤な後遺症を残すことは稀である。
チック
- 5〜6歳と9〜10歳に発生のピークがあり、発生頻度は軽症のものも合わせると10〜20%にもなり、男子に多い。
- 1年未満のものを一過性チック、1年以上を慢性チックと呼ぶ。
- 中学生以上の慢性チックには薬物を積極的に使う。
頭痛
- 小児における後頭部痛は稀であり、診断上注意。器質的疾患によるものが多い。
てんかん
点頭てんかん West症候群
- 点頭=うなずく
- 脳波では多焦点性の棘徐波結合が混入する高振幅徐波(ヒプスアリスミア hypsarrhythiia)。棘波と徐波が無秩序に出現
- 予後不良で、1/3の症例が、Lennox症候群、大発作に移行する
- 生後4〜7ヶ月に発症のピークがある。
欠伸発作(アブサンス) 小発作
- 脳波上、3Hzのspike&wave(棘徐波結合)
Lennox-Gastaut症候群(レンノックスーガストウ)
部分てんかん
単純部分発作(意識消失を伴わない)
- 焦点部分発作;身体の一部に限局。Jackson型が代表型。発作後にTodd麻痺を起こすことが多い。
- 自律神経発作;腹痛、頭痛、嘔吐など自律神経に関する発作
複雑部分発作(意識消失を伴う)