01-19;救急中毒

腸重積

• ２歳未満の太った乳児。前駆症状に感冒症状（約半数）。三大症状は嘔吐、腹痛、粘血便。
• ２歳以上でも稀ではない。
• 注腸整復後の再発率は２〜１５％程度（再発の半分は４８時間以内）。再発を繰り返す例や年長児では器質的疾患も疑う。
• 乳幼児の腸重積の９０％以上が特発性であるが、器質的原因を認めるものも２〜１０％程度存在する。

誤飲

• ピーナッツ；水分を吸収して膨化し、形がくずれやすく、一部でも残るとピーナッツに含まれるアラキドン酸により気管支炎を起こす。

　たばこ

• 葉や吸い殻を２ｃｍ以上食べた場合は何も飲ませない。水や牛乳を飲むとニコチンが溶け出して吸収が進む恐れがある。
• 吐かせるのは良い。たばこそのものは苦く、催吐作用のために、初期に嘔吐することが多い。
• ３ｃｍ以下のたばこ誤飲は特に処置を必要としない。４〜５時間以上経て症状が出現しない場合には経過良好で、日本ではたばこ誤飲による死亡例は報告されていない。
• 副交感神経症状には硫酸アトロピン、けいれんに対してはジアゼパムの投与を行う。
• 症状の出現は１５％前後で、顔面蒼白、吐き気、嘔吐、流涎、脱力、意識レベルの低下、けいれん等が誤飲後２〜３時間までに認められる。

　防虫剤

• 牛乳は飲ませない；牛乳の脂肪分は吸収を促進する。

　すぐ診察

• 灯油など石油製品（吐かせてはいけない；肺炎へ）

　処置が不要とされる誤飲事故の原因物質の例　（１）

• 色鉛筆、シェービングクリーム、入浴剤、インク、シャンプー（薬用を除く）、粘土、鉛筆芯、シリカゲル、のり、おしろい、水銀体温計、ビタミン剤、化学泡消火剤、線香、避妊用ゼリー、蚊取り線香・マット、脱臭剤、芳香剤、ガラスクリーナー、タバコ、冷蔵庫脱臭剤、カーワックス、チョーク、ろうそく、靴墨、点眼薬（市販品）、ワセリン、口紅、クレンザー

　情報

　　電話

• つくば中毒１１０番；029-852-9999
• 大阪中毒１１０番；072-727-2499
• タバコ誤飲専用；072-726-9922

　　インターネット

• 日本中毒情報センター　　http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf
• 日本中毒学会　　　　　　　http://jsct.umin.jp

参照

　（１）Medical Asahi 2008 September 82