02-04-8;栄養肥満痛風
高尿酸血症 痛風
- 成人男性の20〜25%が高尿酸血症であると考えられている。
- 高尿酸血症によってもたらされる主な病態は、痛風関節炎、尿路結石、痛風腎の3つである。
- Dual energy CTによる痛風結節の証明が、施設が限られるが可能である。
痛風発作
- 発作は1〜2週間で改善する。
- 治療開始後3〜6ヵ月は、体内で尿酸の移動が起こるため、痛風発作が再発しやすい。
- 患者の60%に肥満が合併。
- 発作の条件;思い切り体を動かして、焼き肉を食べて、ビールを飲む。
- 発作時の治療にはステロイドとアセトアミノフェンの併用がよい(4)
治療 予防
- 高尿酸血症が続くと1)腎臓機能の低下2)尿路結石が起きやすい3)動脈硬化を起こしやすい
- 無酸素運動(過度の運動、マシントレーニング)は一時的に急に尿酸値を高めやすい。
- 肉類や魚介類のより多い摂取が痛風リスクの上昇に関連する。一方乳製品のより多い摂取はリスクの低下に関与する(3)
- プリン体制限食はあまり意味がなく、カロリー制限の方が意味がある。
- アルコールは種類にかかわらず尿酸値を上げる。アルコールの分解時に大量のプリン体が産生される上、アルコールは尿酸排泄を低下させる。
- 尿酸値を下げるための薬物治療は、開始から数カ月、中止から数カ月は痛風発作のリスクが逆に上昇する。
- アルコールは体内のプリン体分解を促進し尿酸を増加させる。またアルコール分解時に産生される乳酸が尿酸排泄を抑制するため、血中尿酸値は増加し痛風発作の原因となる。
- 激しい運動は解糖を促進して乳酸を増加させ、乳酸が尿酸排泄を抑制するため、痛風発作の原因となる。十分な水分摂取を促す。
- 高尿酸血症治療薬の開始により尿酸値が急激に低下すると、関節腔内の尿酸塩結晶の析出が促進されるため痛風発作の原因となる。
- 栄養指導;1)適正な摂取エネルギー。2)プリン体の摂取制限。3)十分な水分摂取。4)尿をアルカリ化する食品の摂取。5)アルコールの摂取制限。
- 喫煙は痛風発作を抑制するとの報告があるが、禁煙が痛風発作の誘因とはならない。
肥満 メタボリックシンドローム
- メタボリックシンドロームの診断基準は2005年4月に発表。特定健診特定保健指導は2008年度からスタート
- 高TG血症;150mg/dl以上。血圧130/85、血糖110mg/dL
- 診断基準にないCRPは重要。男性では腹囲85cm、女性では80cmでも注意。
- 男性でがんにも循環器疾患にもならない人の割合が最も多かったのは(厚生労働省研究班 津金昌一郎主任2009年はっ病)、喫煙なし飲酒ときどき、BMI25〜27であった。
- 肥満の人はそうでない人よりも糖尿病は約5倍、高血圧症は約3.5倍、心疾患は約2倍もかかりやすくなる。
- CTスキャンで臍のレベルでの内臓脂肪の面積が100平方p以上あると内臓肥満とされる。
BMI
体脂肪率
- 男性は15〜20%、女性は20〜25%が適正値といわれる
生理
アディポサイトカイン
アディポネクチン
- インスリン感受性を高め、血管内皮細胞障害修復作用などの抗動脈硬化作用を持つ。
- 内臓脂肪蓄積により分泌が減少する。
運動療法
- 眼が悪い(糖尿病や高血圧により)人や尿蛋白100mg/dl以上や心不全、重症不整脈の人は避ける。
- 普通に歩くと30分、歩数にして約3000歩が100kcalに相当する。歩行運動は最大運動能力の40〜60%の運動強度に相当する。
- 食後30分〜2時間たってから行う。(運動では骨格筋への血流が増加し胃腸や肝臓への血液量が減少するので食直後は避ける)
- 運動強度が強いとグルカゴン、カテコールアミンなどインスリン拮抗ホルモンの分泌が増加する。また過激な運動はフリーラジカルの発生から血中過酸化脂質を増加させ、臓器障害性に作用し、加齢性変化を進行させる。(ビタミンCやEの摂取が勧められる)
- ウォーキングの実施前後には準備、整理運動(ストレッチングなど)を実施するのがよい。
食事療法
- 魚油(n-3脂肪酸)は競合阻害作用によって、n-6脂肪酸の代謝産物を抑制。弱い抗肥満、抗炎症作用を示す。
- 食前に水分をよくとる。食前に生野菜をたくさん食べるは肥満解消に有効。
カロリー
- ごはん軽く一杯;160kcal。らーめん一杯;600kcal。ハンバーガー一個;300kcal
- あんぱん1個;300kcal。ケーキ1個;350〜450kcal。プリン1個;200kcal
- コーラ一本(350ml)、100%オレンジジュースともに150kcal。
- ビール350ml;140kcal。大瓶633ml;250kcal。
- 日本酒180ml;290kcal。
- 1kgやせるには約7000kcalを消費すればよい
薬物療法
- ナイシトールなど大衆薬の多くは防風通聖散。防風通聖散は18種類の生薬が含まれ、エフェドリンを含み、甘草、連翹(れんぎょう)、荊芥(けいがい)にはホスホジエステラーゼ阻害作用(ホスホジエステラーゼは褐色脂肪組織で熱産生を促すcAMPの増加を抑える)がある。欧米のエフェドリン、カフェインと同じ。副作用としては肝機能障害を起こしうる。体脂肪を低減させるほどの量が大衆薬に入っているかどうかは疑問である。
- 黒ウーロン茶;ポリフェノールの働きで中性脂肪の吸収を抑える(食事時に使うのみ)。
- ヘルシアウォーター;茶カテキンを高濃度に含む。脂肪の消費をしやすくなると。運動併用が必要。