02-08-01;総論
咽頭炎
原因
- ライノウイルス20%、コロナウイルス>5%、アデノウイルス5%他
- A群β溶血性連鎖球菌15〜30%、C群β溶血性連鎖球菌5%。
肺炎
肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae);熱い莢膜を持つ。粘調性の高い
マイコプラズマ;繊毛に付着ー頑固な咳。自己増殖能力を持つ最小の微生物
髄膜炎
食中毒
- 日本は年間亡くなる件数は10人未満程度。アメリカでは年間6人に1人が発症し毎年3000人が死亡。
- 患者数ではノロウイルスが年間1万人前後と最も多い。
- 発生件数ではカンピロバクタによる食中毒が最多で増加傾向にある。サルモネラや腸炎ビブリオは減少傾向。
- 食事当日発症するのは黄色ブドウ球菌とウェルシュ菌。
- 1週間以上続く下痢の場合は、ジアルジアやクリプトスポリジウムなどの寄生虫の有無の確認要。
カンピロバクター
- 潜伏期間は2〜7日と長い。粘血便と発熱。致死率<0.001%。1〜3週間後に0.1%でギランバレ症候群を発症。(リポ多糖への抗体が末梢神経を攻撃)
- Campylobacter jejuniによる。汚染された鶏肉や牛レバーによって。
- グラム陰性菌、らせん状に湾曲した形態。
腸管出血性大腸菌(EHEC);致死率1〜5%
- O157:H7,O111,O26が代表。2011年はヨーロッパでO104
- ベロ毒素は赤痢菌の志賀毒素と同じ。ファージ変換によって水平伝播。
- 糸球体で微小血栓を作りHUSを引き起こす。4歳以下の乳幼児に好発。
耐性菌
MRSA
- CA-MRSA(community acquired);とびひ、肺炎。全MRSAの5%を占める。
MDRP(multidrug resistant);緑膿菌(グラム陰性桿菌)
- ムコイド分泌。
- 生息密度上昇によりクオラムセンシング機構。バイオフィルム(流し場やシャワーヘッドでも)を形成。
βラクタマーゼ産生菌;classは4種類。
- NDM-1;水平伝播する
- ESBL;classA;各菌の5〜10%。鶏肉に多い。
予防接種(小児科一般のワクチンの項が主です。参照下さい)
肺炎球菌ワクチン
- 脾臓は抗体産生をするB細胞の約半数が存在する。脾臓摘出後肺炎球菌による敗血症を起こすと早期に有効な抗菌薬を投与しても約20%と死亡率が高い。ワクチンによって敗血症の発症抑制効果は65〜84%。
- 2009年10月から再接種が可能になった。1998年から接種開始
- これまで肺炎球菌ワクチンの接種歴のない場合は小児用PCV13をまず接種し、その後8週以降にブースとしてPPSV23の接種を行うことを勧めている。既にPPSV23を接種済みの患者には、1年以上間隔を空けてからPCV13を接種するように推奨されている。
黄熱ワクチン
- ワクチンの有効期間が接種後10日目から10年間。
- サハラ以南のアフリカや南米アマゾン周辺の一部の国への入国に際して証明書(yellow card)の提示が求められる。
B型肝炎ワクチン
- 日本では母子感染予防事業であるが、海外ではすべての小児に定期接種として実施している国が多く前もって調べておくことが望ましい。
BCG
- 米国ではツ反が15mm以上あれば抗結核薬を9ヶ月間内服させられてしまう。BCG陽転の証明かクオンティフェロンの陰性証明をしておけば安心。
髄膜炎菌性髄膜炎ワクチン
- 日本では接種できない。イスラム圏への留学や、米国の大学で寮生活をする際に要求される(米国では中学入学時に1回接種を勧めている)
腸チフスワクチン
- 日本では接種できない。東南アジアやアフリカなど途上国への留学生には必要。
コレラワクチン
- 日本に未承認のWC/rBSワクチン(商品名Dukoral)は、ETECにも効果がある。
狂犬病
- WHOが行った2004年の再評価によれば世界の狂犬病による死者数は年間5万5千人と推定されている(アジア3万1千人、アフリカ2万4千人)。年間の曝露後のワクチン接種者数は1000万人といわれている。
- 狂犬病予防接種の接種率は約40%。未登録の犬も多い。
マダニが媒介する感染症
ライム病
- ボレリア・ブルグドルフェリイというスピロヘータが起こす感染症。アメリカのコネチカット州ライムで最初に流行したためにこの名がついた。
- マダニに刺されて数週間後(30日以内)に、刺し口を中心に遊走性紅斑が出現し、発熱、疲労感、リンパ節腫張が出現。
日本紅斑熱
- マダニに刺されて2〜8日後に頭痛、発熱、悪寒戦慄が出現。発熱は2〜3日続いた後、手足、顔面に米粒から小豆大の発疹が出現して全身へ拡大。2週間ぐらいで消失。
ダニ媒介性脳炎
- 日本脳炎と同じフラビウイルス属のウイルスによって引き起こされる。ヒトへの感染はダニによる刺咬だけでなく、感染したヤギやヒツジの原乳を飲んでも感染する。
野兎病
- 野兎病筋はマダニなどの吸血性節足動物を介して、主にノウサギやげっ歯類などの野生動物間で感染する。ヒトはこれらの感染動物から直接あるいは間接的に感染する。マダニから刺咬でかんせんすることもある。