05-03;上肢疾患
肩
肩の痛み
- 三角筋付近の痛みのことが多い。
- 夜間痛を起こすことが多い。
上腕二頭筋長頭腱炎
- 結節間溝(前へならえをして真正面に来る)に圧痛がある。
- Speed's test;前腕回外(手のひらを上へ向ける)し肩を60度挙げて結節間溝に圧痛があるか。
- ステロイドを結節間溝に局所注射
impingement症候群
- 肩回旋腱板が肩峰と上腕骨頭の間で挟まれ腫れる。草取り、草刈り、車のワックスがけ等で発症
- Neer's test;他動的に手首を持ち上げ肩を挙げると痛みが出る。
- Hawkins test;志村けんのアイーンで前腕を外側へ払うと痛み。
- ステロイド局所注射やヒアルロン酸注入。
石灰化性滑液包炎
棘上筋腱断裂
肩コリ
- 背中の表面にある僧帽筋や、その奥にあって肩甲骨を横から支えている菱形筋、さらに奥にあって肩甲骨を上からつり上げている肩甲挙筋などが、頸や肩のこりにかかわる。
肘
肘内障
- 6ヵ月〜6歳、特に2〜3歳に多い。
- 整復は、回外・屈曲法よりも、回内法のほうが成功率が高い(橈骨頭に親指をあてて手関節をしっかりと持ち、胸の前で肘を屈曲させたまま回内させる)
手
手根管症候群
- 中年女性の多いが、男性ではアミロイドーシスも鑑別
- 片手または両手に起こる。
- 明け方に症状が強くなる。
診断
- tinel sign;手首の屈側で手根管部を叩打すると、正中神経支配の母指、示指、中指の指腹部に放散痛が生じる。
- Phalen test;手関節屈曲テスト
- 鑑別;頸椎症による神経根の圧迫、糖尿病神経障害、手指の腱鞘炎
治療
- まず手関節の安静を保つ。ギプスやサボーター、固定具を用いることも有効。
- 長期間に及んでいる、手指の運動障害がある、感覚が高度に低下、母指球の萎縮が認められる症例には内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術や小皮切るによる直視下手根管開放術が選択。
Dupuytran拘縮
- 原因は明らかでないが手掌腱膜が縮んで、手のひらや指が拘縮する病態。男性高齢者や糖尿病患者に多い。
参照
(1)37−42;日本医事新報 37,2011.6.11,No4546