06−08;尿路結石
- 日本では男性の7人に1人、女性の15人に1人が生涯に1度は尿路結石になっている。
- 5年間での再発率は約50%。
成分
- シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸、シスチン、リン酸マグネシウムアンモニウムの5つに大別。
治療
- 自然排石は5mm以下で期待。
- 溶解療法は尿酸とシスチンの結石では尿をアルカリ化することで可能も、尿路結石の約90%を占めるカルシウム結石では有効ではない。
予防
- 尿量は1日2L以上に維持できるよう飲水励行。
- 紅茶やコーヒーは尿量を増加するが、シュウ酸排泄も増加するため注意が必要である。
- ビールをはじめとしたアルコール類は尿酸排泄を増加する。高尿酸血症はシュウ酸カルシウム結石の成長の核となるばかりでなく、尿中のシュウ酸カルシウムの溶解性を低下させることにより、結石成長を助長する。
- クエン酸は尿中でカルシウムをキレートし、過飽和状態を減弱するため、カルシウム結石の成長を遅延する。尿中クエン酸排泄量を増やすには柑橘系果実の摂取が勧められる。またカリウム摂取もクエン酸排泄量を増やすので、海藻、野菜、果物などのカリウムを多く含む食品の摂取も勧められる。
- シュウ酸は腸管内でカルシウムと結合するとそのまま便中に排泄される。脂肪は腸管内でカルシウムと結合するためシュウ酸の腸管吸収を高めてしまう。ナトリウム制限(塩分制限)は尿中のシュウ酸とカルシウム排泄を低下させることが知られている。ビタミンCや蛋白過剰摂取はシュウ酸産生を増加する。蛋白過剰摂取は尿中シュウ酸排泄の増加以外に、尿中クエン酸排泄の減少、尿酸排泄の増加、尿pHの低下(リン酸カルシウム結石の成長)など複数の机上により結石形成を促進する。