08-10;緑内障
- 40歳以上では17人に1人。自覚症状なし。(有病率5%)
- 房水は毛様体で作られ、線維柱帯を通って排出される。
- 自覚が出てから受診は実は手遅れ。
- 正常眼圧は10〜21mmHg。一般に冬季に高く夏季に低い。
- 有病率は多治見スタディー(2002)では正常眼圧緑内障が3.6%、開放隅角緑内障が0.32%、閉塞隅角緑内障が1.12%。
- 緑内障の中では開放隅角緑内障が90%、閉塞隅角緑内障が10%。
原因
- 近視は緑内障になりやすい(眼球の形)。タバコは血液循環が悪くなることから発症要因の一つ。
- ステロイド治療中
- 正常眼圧緑内障のリスクファクター;緑内障家族歴、強度近視、偏頭痛、低血圧、末梢循環不全(冷え症)、糖尿病、膠原病、40歳以上
急性緑内障発作
- 瞳孔径に左右差がある=患側が大きい(中等度)
- ぼやけて見える。
- 患側の対光反射が減弱
- 角膜混濁(眼圧上昇により角膜内の水分バランスがくずれて角膜上皮浮腫)
- 結膜充血
- 眼圧は70mmHgになることも。
検査
- ハンフリーの視野計 FDT
- 超音波生態顕微鏡;50mHzの超音波で隅角の断面を見る
- スペキュラーマイクロスコープ;光学的に角膜中央部の厚さを測る
- ハイデルベルグレチナトモグラフィー;視神経乳頭を三次元で診る
- スキャニングレーザーポラリメータ;神経線維の厚さを測る
眼底
- 視神経乳頭の白い部分(視神経乳頭陥凹)が縦径(C/O比)で0.6未満が正常。0.7を超えていたらコンサルト
- ポイントは視神経乳頭拡大と乳頭出血
- NFLD(nerve fiber layer defect)は近視にある豹紋状眼底ではわかりにくい。
治療
- 薬によって進行を20年以上遅らせることができる。(進行には20年以上、30〜40年かかることも)
- NTGに対する眼圧下降療法の効果;ベースラインから30%下降すると5年観察で8割が進行阻止(2割は進行)。
- 第一選択;プロスタグランジン製剤、α1遮断薬、β遮断薬、炭酸脱水素酵素阻害薬
- 白内障手術=開放隅角になる。(白内障が進行すると分厚くなって隅角が狭くなる)
- ステロイド点眼薬によって眼圧上昇が生ずる者(high responder);正常者の5〜6%、緑内障患者の46〜92%、緑内障家族歴の24〜31%、強度近視者の36%、網膜症のない糖尿患者の20%(欧米の報告)。
線維柱帯切開術
レーザー周辺虹彩切開術