10-5;異常妊娠・合併症
流産
- 自然流産胎児の約1/5の核型は45,Xであり、発生したTurner症候群の95%は自然流産していることになる。
- 全妊娠の10〜15%は自然流産で、その半数以上は受精時のカップリング異常に伴う染色体異常が多い。
出生前診断
- アメリカの一部州では高齢妊娠(35歳以上)ではスクリーニングとして出生前診断を受ける。
- 検査方法としては羊水検査、絨毛検査、臍帯検査がある。羊水検査で0.3%、他では1〜3%検査後に流産する場合がある。
- 主な目的は染色体検査である。
ダウン症
- 35歳では確率は約0.26%であるが、40歳では約1%、45歳では3.33%。(全体の染色体異常はそれぞれ0.49%、1.59%、5.26%)
- 母体血のトリプルマーカーテストで確率を予測する方法もあるが、診断精度が低い。
- 前子がダウン症の場合に、次子がダウン症である確率は一般的な母年齢とほぼ同じ。ただし転座保因者であれば、母親がそうである場合再発率は10%となる。
感染
風疹
- 妊娠11週までに感染すると先天奇形を起こす可能性は90%
妊娠中の子宮頸癌
- 進行期がIa期(組織学的にのみ診断できる浸潤癌で、間質浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向の拡がりが7mm以内)までなら、子宮頸部円錐切除のみで分娩まで経過を観察することも可能。しかしIb期以上に進行すると妊娠継続は困難となり、妊娠20週までなら、ただちに妊娠中絶の適応となる。21週以降に診断されたIb期では本人と相談、26〜28週まで延期して帝王切開の例もある。
高血圧
- 使用できるのはメチルドパ、ラベタロール。妊娠20週以降はニフェジピンや注射薬ではニカルジピン
子癇
- 硫酸マグネシウム;けいれん再発予防薬
- MRI;PRES(posterior reversible encephalopathy syndrome)。子癇発作は皮質、皮質下白質などで血管外へ漏出した液体が刺激となると考えられている。
- 高血圧にはマンニトール